「離婚しました」と言えなかったあの頃。
実は、いまだに伝えられていない人もいます。
産休中に離婚しました。でも、復帰のときにそれを言えなくて、苗字も元夫のままにしました。
周囲から「おめでとう」と声をかけられるたびに、胸がギュッと苦しくなったのを覚えています。
離婚した自分を認められなかった。
「自分はちゃんとやれていないんじゃないか」
そんな思いが心を占めていました。
「自立したい」ただ、それだけだった

実家には、1年間本当にお世話になりました。
でも、心のどこかで「頼りっぱなしじゃいけない」と思っていて、息子を連れてアパートでの暮らしを決意しました。
シングルマザーの生活は、想像以上に忙しくて厳しかったです。
働けば働くほど、息子との時間は減っていく。
「このままでいいのか?」と悩みながらも、とにかく必死に走り続けました。
「母子家庭だから」とは言わせたくなかった
「母子家庭だから、我慢するのが当たり前」
そんなイメージを、息子には持たせたくなかったんです。
だから、年に数回は思い切って海外旅行に連れて行きました。
小さな体験でも「楽しい」「嬉しい」を一緒に重ねていきたかった。
それが、私なりの意地でした。
子育てに正解なんてないけど
家では、いつも二人きり。
だからこそ、たくさんたくさん会話をしてきました。
毎日の些細なことから、ちょっと難しい話まで。
息子との対話は、私の心を救ってくれる時間でもありました。
正直、悲しい思いもたくさんしました。
でも、今、息子は中学3年生。
誰に紹介しても「いい子だね」と言ってもらえる、自慢の息子に育ってくれました。
自立とは、心を閉ざすことではなかった
「自立する」と決めたあの日、私は一人で立つことを選びました。
でも、本当に大切だったのは、誰かに頼ることを“悪”としないこと。
愛を拒まないこと。
心を開き続けること。
過去の

自分に、ようやく「よくがんばったね」と言えるようになりました。
完璧じゃなくても、不器用でも、愛を持って生きることはできる。
これからも、息子と一緒に、笑っていけたらそれでいい。
それが、私の“自立”であり、“愛”なのだと思います。
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